最高人民法院による
「知的財産権の裁判業務を全面的に強化し、
革新型国家の建設に司法的保障を提供することに関する意見」
全国地方の各レベルの人民法院、各レベルの軍事法院、各鉄道運輸中級法院及び末端法院、各海事法院、新疆生産建設兵団の各レベルの法院:
「最高人民法院による『知的財産権の裁判業務を全面的に強化し、革新型国家の建設に司法的保障を提供することに関する意見』」を只今印刷配布し、裁判業務の中で実情に結び付けながら、真剣に執行されたい。
2007年1月11日
胡錦濤同志を総書記とする党中央は、小康社会(いくらかゆとりのある暮らしができる社会)を全面的に建設し、社会主義の現代化事業の推進を早めるという戦略の高い立場に立った上で、「中国共産党中央委員会国務院による科学技術計画概要を実施し、自主的な革新能力を高めることに関する規定」及び「中国共産党中央委員会による社会主義調和社会の構築に関する若干の重大問題についての規定」の中で、わが国を革新型国家に建設するよう目標と任務を明確に打ち出した。人民法院の裁判機能を十分に発揮し、革新型国家の建設に強固な司法的保障を提供するために、只今、人民法院による知的財産権の裁判業務の全面的強化について、以下のような意見を提出する。
一、知的財産権の裁判業務の全面的強化に係る重大な意義を十分に認識すること
1. 知的財産権の裁判業務を全面的に強化することにより、革新型国家の建設を促進することができる。人民法院は国家の裁判機関として知的財産権に与えた司法的保護が、全国における知的財産権の法執行·保護体系の中で、基盤として主導作用を働いている。人民法院は、法に基づいた知的財産権関係への調整、知的財産権利者の合法的権益への保護、知的財産権侵害犯罪への懲罰及び社会主義市場経済の秩序の維持などの分野において、かけがえのない法的職責及び重大な使命を背負っている。知的財産権の裁判業務を全面的に強化することにより、人材による国家確保という戦略の実施を促し、労働尊重·知識尊重·人材尊重·創造尊重という方針を全面的に徹底し表すことが望まれる。
2. 知的財産権の裁判業務を全面的に強化することにより、わが国の良好な国際イメージを樹立することができる。知的財産権の司法的保護を全面的に強化することは、わが国が国際競争に参与し、海外資金と先進的技術を取り入れるのにより魅力的で優れた投資環境を営むという現実的需要に応じたものでもあり、わが国が外国への約束を守り、良好な国際イメージを樹立するという客観的要求に合ったものでもある。詳しく説明すれば、知的財産権の裁判業務の全面的強化を通じて、外商の投資をよりよく引き付け、国内企業の国際競争力を保障し向上させ、対外開放の拡大を更に促進することが望まれる。また、人民法院は法に基づき、知的財産権侵害行為を厳格に処罰し、模倣品や海賊版といった重大な違法·犯罪行為を厳しく取り締まり、中外当事者の合法的権益を平等に保護することにより、中国における知的財産権の司法的保護に係わる良好なイメージを樹立することもできる。
3. 知的財産権の裁判業務を全面的に強化することにより、社会主義調和社会の構築を早めることができる。知的財産権の裁判を通じて、社会の進歩に役立つような創造意欲性を尊重し、創造活動を支持し、創造能力を発揮し、創造成果を保護することにより、社会に生気と活力を与えるとともに、社会における誠実·信用メカニズムの構築を促し、人々が約束を守り、信用を重んじ、良好な気風が生じるようになり、相互の信頼関係が強まり、価値観の同一化が進んで凝集力も向上し、社会範囲で誠実·信用·友愛が実現されてゆく。
二、知的財産権の裁判業務に係る指導方針、目標及び基本的原則
4. 革新型国家の建設に対して司法的保障を与えるために、鄧小平理論と「三つの代表」という重要な思想を党の指導思想として確立し、 科学発展観を全面的に貫くとととに、革新型国家の建設という要求に応じながら、「公正に司法し、人民のために一心に奉仕する」という方針及び「公正·効率」という業務のメーン·テーマを堅持し、知的財産権の司法的保護をいっそう強化し、法に準拠しながら知的財産権を保護することにより、公平な競争を維持し、自主的革新を促進し、対外開放にサービスする。そして、国家の知的財産権戦略の実施のため、革新型国家の建設のために、社会主義調和社会の構築のために、司法的保護を知的財産権の創造·管理·運用の全過程に普及し、強力な司法的保障を提供し、公正で効率的で権威性のある法治環境を作るよう励む。
5. 革新型国家の建設に司法的保障を提供することにより、以下のような主要目標と任務を達成する。知的財産権の裁判業務が全面的に強まること、知的財産権に係わる刑事·民事·行政裁判機能が十分に働くこと、知的財産権訴訟制度が絶えずに改善されていくこと、知的財産権の司法的保護体系がもっと健全になること、知的財産権の裁判官チームのレベルが大きく高まること、「司法が公平性·効率性·権威性を備え、権利者が積極的で便宜的に権利を守り、権利侵害者が処罰を逃せず、知的財産権といった無形の富が順序良く循環していく」ような知的財産権の司法的保護の環境がほぼ形成されること、知的財産権の司法的保障の能力とレベルが著しく向上すること、革新型国家のための司法ニーズが全面的に満たされること。
6. 革新型国家の建設に司法的保障を提供するに当って、以下のような原則を遵守すべきである。その一は司法の公平性を遵守すること。司法の公平性を知的財産権の裁判の魂及び命として一貫し、知的財産権に対して法に準拠しながら公正性·効率性·権威性を有する司法を実施することにより、知的財産権の分野において最大限の公平と正義を保護し実現する。その二は司法の統一性を遵守すること。法により案件を厳格に処理し、知的財産権の裁判における法律規範と司法解釈の統一的適用を確保し、司法基準と裁判結果の協調を実現する。その三は保護の平等性を遵守する。法により中外当事者の合法的権益を平等的に守り、地方保護主義及び部門本位主義を固く拒み、地方間の封鎖と業界内の独占を克服する。その四は利益の均衡性を遵守する。知的財産権の保護と公衆利益の保護との関係、科学技術革新の激励と科学技術運用の奨励との関係を正確に取り扱い、知的財産権を着実に守るとともに、権力の濫用と非法的独占を制止する。その五は大局に奉仕することを堅持する。大局優先の概念と奉仕の意識を根強く樹立し、業務処理上の単一化概念を克服し、個別案件処理の法律的効果と社会的効果との有機的統一を達成する。
三、知的財産権の司法的保護の機能を十分に発揮し、社会全体における創造の活力と革新能力を保障すること
7. 知的財産権侵害の犯罪行為を法に従って厳重に処罰する。知的財産権の刑事·司法保護の機能を十分に発揮し、法により各種の刑事制裁措置を運用し、刑罰による知的財産権犯罪の処罰·予防機能を果たす。模倣品·海賊版など知的財産権に係わる犯罪行為につき、定罪·量刑の基準をいっそう改善して統一し、執行猶予の適用基準を明確にし、犯罪の情状及び危害の程度を考慮しながら、法に基づいた厳罰を与える。法に準拠し主刑を適用すると同時に、罰金刑の適用とエンフォースメントを強化する。違法所得への追徴、犯罪に使われた道具の没収、権利侵害商品の廃棄、損害賠償命令などの措置を通じて、権利侵害者の再犯能力と再犯環境を経済面から剥奪することに留意する。原告自身による知的財産権の刑事提訴案件を法により審理し、被害者の刑事提訴権利を的確に保障する。行政案件の審理において、刑事犯罪の容疑が存在し刑事制裁を受けるべきにもかかわらず、行政上の処罰又は行政処分しか与えられなかったと発見した場合は、行政機関に対して司法提案を提出するとともに、犯罪の手がかりを早急に公安機関に移送し捜査を依頼すべきである。民事案件の審理において、犯罪の容疑や手がかりが発見され、原告による刑事訴訟の条件に合った場合は、権利者に対して刑事訴訟を同時に提起できることを告知すべきである。法に基づき公訴を提起しなければならない場合は、犯罪容疑のある内容を公安機関に移送し捜査を依頼すべきであり、移送後にも民事案件の審理が影響されないものについて、民事案件の審理を続けることができる。
8. 法に基づき、知的財産権民事案件を適切に審理する。知的財産権の保護及び自主的革新の激励に当たり、知的財産権民事裁判の主導的役割を十分に発揮することに留意する。特許·技術秘密(ノウハウ)·コンピューターソフトウェア·植物の新品種·集積回路の配置設計など技術に係わる知的財産権侵害案件を法に基づき審理することにより、革新成果を合理的で適切に守り、経済成長に対して抜群と言えるほどの重要な促進作用をもたらし、自主的知的財産権を有する核心な技術への保護を強化する。商標·地理的表示など標識に係わる知的財産権侵害案件及び各種の不正競争案件を法に基づき審理することにより、市場における競争秩序を厳格に規範させる。作品や音楽映像製品など表現に係わる知的財産権侵害案件を法に基づき審理することにより、版権関連産業の健全的発展を促進する。コンピューターインターネットと新技術に係わる知的財産権侵害案件及び新種の知的財産権侵害案件を法に基づき審理することにより、新興産業の健全的成長を促進する。渉外知的財産権侵害案件を法に基づき審理することにより、中外当事者の合法的権益を平等に保護する。伝統的知識、遺伝資源及び民間の文芸を積極的に守り、持ち主の承知·承諾権及び収益の共同享有権を保護する。法に基づき、特許請求の範囲を科学的で合理的に解釈し、権利侵害の判定方法を正確的に運用し、特許権侵害案件における同等の特徴を認定する条件を厳しく把握する。法に基づき著名商標を慎重に認定し、認定範囲を超えて又は認定条件に満たさない案件、原告の権利侵害の告発が成り立たない案件の場合は、著名商標として認定してはならない。商業秘密案件の審理にあたり、当事者両方への保護に留意し、法に基づき職業選択の自由と商業秘密保護との関係をバランスよく処理する。知的財産権契約の効力と責任を正確に認定し、契約解除条件を厳しく規定し、当事者の自主意思を十分に尊重する。
9. 法に基づき行政機関の法に従った行政を監督して支持する。行政裁判による知的財産権に関する行政法執行行為への司法審査の機能を着実に果たし、行政機関の法に従った行政を監督して支持し、知的財産権の行政相対人の合法的権益を保護し、知的財産権の行政管理秩序を維持することにより、知的財産権に対する行政保護を促進する。法に基づき、行政機関による権利侵害行為への制裁を支持する。行政機関が行政処分の強制的執行を申請した場合は、審査を通じて執行条件に合致すると判明されたものにつき、直ちに裁定し強制的執行を実施すべきである。重大な知的財産権侵害行為に対する行政的不作為への司法監督を強化し、行政法執行機関が職権により権利侵害行為を即時に取り締まるよう監督する。法に基づき、特許·商標など知的財産権の権利認定に係る紛争案件への司法再審の職責を履行し、事実の認定と法律の適用において行政行為に対して全面的な合法性の審査を行う。
10. 知的財産権の裁判への監督と案件の調整を強化する。知的財産権案件の再審を申請するためのルートを疎通し、当事者と社会が強い反響を示した案件について法に基づき厳格に審査し、裁判結果には確実な過ちが存在していると発見した場合、即時に再審を実施し判決を正す。理屈なしに上告を申し立てた案件について、法律と政策に準拠した上で、上告と陳情を上手に治める。知的財産権の行政授権に係る紛争案件の裁判への監督を強める。大きな社会影響を呼びうる関連案件について、審理法院の間で意見交換を重んじ、案件の裁判基準を統一し、裁判結果の調和性を保証するが、裁判結果が衝突しうると発見された場合、即時に上級の法院に報告し指導と調整を仰ぐべきである。重大知的財産権案件の報告制度を構築し、全局に関わり重大な影響を持つ案件、訴訟標的の額が巨大な案件、前例がない新種案件について、受理した法院は即時に上級の法院に審理状況を報告すべきである。著名商標の認定·登記制度を更に改善する。
11. 知的財産権の執行制度を完全にする。知的財産権案件の集約執行制度を立ち上げ、知的財産権案件の受理件数の多い法院が、その執行部門の中で専門的な合議体またはチームを指定し案件処理を委ねるべきである。被執行者が発効した権利侵害停止の判決内容の履行を拒み、権利侵害行為を続ける場合は、権利者が法に基づきその民事責任を追及できるほか、法院が法に準拠しながら、公安·検察機関と協力し、判決·裁定の不履行という罪名でその刑事責任を追及すべきである。
12. 知的財産権民事案件の管轄·受理制度を改善する。知的財産権民事案件は基本的に中級以上の地方法院によって第一審を行うこととするが、案件受理件数が多く審理のプレシャーが大きな地域において、高等法院を通じて最高法院に報告し、一部分の末端法院を指定し一部分の知的財産権案件を管轄させるよう申請することができる。特許·植物の新品種·集積回路の配置設計に係わる案件の指定管轄制度を厳しく把握する。各ランクにおける知的財産権民事案件の管轄基準を適切に調整し、地方法院が受理する第一審案件の範囲を拡大する。普遍的な法適用の意義を有する知的財産権案件について、下級法院が裁判委員会の検討及び決定により、上級法院に報告し審理を依頼することができ、上級法院が審査を経て条件に合うと認めた場合、直接に審理を行うことができる。知的財産権案件の審理ランク管轄の改革を積極的に模索する。訴訟前の臨時措置案件について、立案部門が登録後直ちに知的財産権の裁判を担当する業務廷に引渡し、専門的裁判官により審査を行い、法定の期間内で裁定を下すとともに、裁判官の調整を通じて即刻に執行するよう努力すべきである。
13. 法に基づき、権利侵害賠償及び民事制裁の力度を拡大する。知的財産権侵害賠償の適用ルールを厳格に守り、全面賠償の原則を貫き、権利保護のコストを下げ、民事制裁の威喝力を強化する。法に基づき、損害賠償を立証するための権利者側の挙証責任を適切に軽減する。権利侵害者が異なる場所で侵害行為を幾度実施したことが立証された場合は、侵害者が侵害行為を継続していることと推定し、それに応じた賠償範囲を確定する。自然人としての被告が権利侵害行為によって精神的損害を受けた場合は、その請求を考慮しながら、法に基づき合理的な精神損害慰問金を確定する。当事者が規定に従い訴訟のために支払った弁護士費について、当事者の請求を踏まえ、その必要性、全ての訴訟請求への支持程度、請求した賠償額と実際に判決した賠償額の比率などの要因を総合的に考慮した上で確定した後、賠償範囲の中において計上する。当事者の主観上の過ちを考慮しながら相応した賠償責任を確定する。法に基づき、民事制裁を応用することにより権利侵害者を処罰する。
14. 法に従い、臨時措置を正確に適用する。当事者が訴訟前または訴訟中に提出した臨時禁令または早期執行、財産保全及び証拠保全などの申請について、積極的に受理し迅速に審査を行い慎重に裁定し即刻執行すべきである。訴訟前の臨時措置の時効性を高度に重視する。臨時措置を実施するための実質的条件を把握し、臨時禁令に関して、権利侵害の可能性を重点に審査すると同時に訴訟の時効と損害状況を考慮する。証拠保全に関して、権利侵害の可能性のほか、証拠のリスク及び申請者の証拠収集能力を重点に考慮する。科学的で合理的に担保要求を確定する。
15. 専門技術への事実認定を適切に処理する。知的財産権裁判の中で専門技術への事実認定という難問を解決するとき、人民陪審員、専門家証人、専門家意見の聴取、技術鑑定などの活用に留意する。専門技術と一定の法律知識を持った公認の専門家について、彼らが所在する都市の末端法院の推薦を通じて人民陪審員として任命するよう提起する。当事者が専門知識を持った人員を招聘し、訴訟の補助人員として出廷し案件に係わる専門的問題を説明させることを支持し、しかもこれについて挙証時限を設けない。複雑で判断しにくい知的財産権案件について、関係分野に係わる技術·法律専門家に問い合わせることができる。他の方式で認定しにくい専門技術の事実問題について、技術鑑定を委託することができる。海外で形成された公開出版物など信憑性が初歩的に確認された証拠材料について、相手当事者がその信憑性に関して有効な質疑を提出し挙証側が有効に反証できない場合を除き、公証·認証などの証明手続きを履行する必要性がないとする。
16. 知的財産権の権利濫用を禁止する。知的財産権の権利者と社会公衆との権利境界線を正確に定め、当事者による先行権·先用権·公知技術·後悔禁止·合理的使用·正当使用などの抗弁事由を法に基づき審査し支持する。技術を非法的に独占し技術の進歩を妨げる行為を制止し、研究開発制限·強制的逆授与·実施阻害·抱き合わせ販売·購入制限·有効性への質疑禁止など技術契約中の無効事由を法に基づき認定し、技術市場における公平な競争を維持する。権利者による権利侵害の警告濫用と訴訟権の濫用を防止し、権利侵害でない確認訴訟及び訴訟濫用による賠償制度を改善する。
17. 知的財産権案件の調停を強化する。裁判方式で案件を処理すると同時に、知的財産権案件の訴訟調停にも力を注ぎ、「調停できるものを調停し、裁判すべきものを裁判し、調停と裁判をうまく結びつけ、迅速に結審する」という原則を守り、調停を案件審理の全過程に徹底させ、訴訟の調停率·和解による訴訟撤回率を向上させる。訴訟前の臨時措置案件を処理する際、調停を高く重視する。知的財産権行政案件の調整及び原告による刑事訴訟案件の調停にかかわる経験を積極的に求めてまとめる。業界協会と有識者などによる疎通·協議の作用を果たすことに留意し、対立情緒をなくし紛争を解決するように協力する。
18. 国民のための司法措置を真摯に実行する。訴訟の指導と訴訟の解釈説明を強化し、当事者による訴訟への参与能力を向上し、裁判の公信度と執行力を強める。知的財産権訴訟案内を編集する。開廷審理制度を堅持する。当事者への権利義務の告知制度を全面的に実行する。訴訟リスクの提示制度を実施する。当事者への挙証指導制度を探求する。調査令制度を模索し試行し、国家の関連部門に保存されるため当事者が自分で入手できない証拠及び当事者が客観的理由で自分で取得できないその他の証拠について、法院が当事者の代理弁護士に授権し調査により証拠を集めるという方式を模索することができる。司法救済の強度を拡大し、経済面で困ったインテリ及び特別貧困で倒産に望んだ企業に対して訴訟費を減免する。代理人への資格審査を厳しく行い、法に基づき公民による知的財産権訴訟の代理を規範する。法に基づき、裁判官と弁護士の相互関係を規範し、弁護士が法により提出した訴訟材料を真摯に審査し、弁護士の意見を十分に聴取する。審理時限の意識と効率の意識を強化し、訴訟中止が決定された案件を厳しく審査し、訴訟による当事者の疲れを避けるよう努力する。裁判文書の作成品質を高め、弁証が法と理のどちらにもかない、勝訴でも敗訴でも一目瞭然であるよう努力する。
四、有力な措置を取り、知的財産権の司法的保障能力を高めること
19. 知的財産権の裁判チームの専業化建設を推進する。法律を熟知し、外国語の基礎能力を身につけ、理工科の専門知識及び一定の裁判経験を持つ人員の中から、知的財産権の裁判官を選んで培うことにより、知的財産権の裁判チームの専業構造をいっそう改善する。知的財産権の裁判官チームの比較的安定性の維持に力を入れる。科学的で合理的な業績評価制度を作り上げ、案件数だけで評価するようなことを避ける。知的財産権の裁判官に対して、職業技能の研修を強化する。知的財産権の裁判官の政治的素質及び職業道徳教養の向上に力を注ぎ、廉潔司法の意識を着実に高める。
20. 知的財産権の裁判組織を整える。最高法院、高等法院、知的財産権民事訴訟の受理件が多い地方法院及び知的財産権民事訴訟の受理が許可された末端法院において、独立な知的財産権裁判廷を設置し、その他の地方法院において、知的財産権民事訴訟を統一的に審理するための合議体を設置すべきである。立案、刑事裁判、行政裁判、執行及び裁判監督など職能部門の場合、専門的合議体又は専門家を指定し知的財産権案件の審理·裁判·執行を担当させるよう設置すべきである。
21. 知的財産権保護に係わる職能部門の協調と協力を強める。知的財産権の刑事、民事、行政裁判部門との業務上の協調及び交流、知的財産権の裁判部門及び立案·執行·裁判監督部門との業務上のつりあい、上下級の法院の間での情報交換及び業務交流を強化する。知的財産権の関連行政法執行部門との提携強化にも注意を支払い、知的財産権の刑事法執行の中における公安·検察機関との協力及び牽制関係を強化し、知的財産権の保護業務の中における外事·商務·科学技術·情報産業·新聞·宣伝など総合部門との情報交換及び提携を強化する。
22. 知的財産権の裁判業務に係る新体制を模索しながら確立していく。知的財産権の司法的保護力の全体的向上を図るために、当事者訴訟及び法院審理の便利化、裁判資源配置の効率化、救済手続きの簡単化、司法の統一化を実現することを目的として、知的財産権の司法的保護についてその組織基礎を改善し運営体制を順序付けるような科学的対策を提出する。特許·商標など知的財産権の権利確定に係わる紛争解決メカニズムを深く研究し改善していく。
23. 知的財産権に関する司法解釈と立法提案を強化する。司法解釈の質を更に向上し、その操作容易度と業務の透明度を高め、司法基準を統一し、知的財産権の訴訟制度を改善し続ける。知的財産権に係る立法活動に積極的に関与し、立法機関及び国家の関係部門に対して立法提案を行い、実践によって成熟度が確認された司法的経験を立法の形で肯定し、知的財産権の法律体系の更なる健全と改善を促進する。
24. 知的財産権の司法的保護に関する調査·研究を徹底する。科学技術·経済·文化発展の特色と裁判業務の実情に結びつけながら、知的財産権の司法的保護において生じた新たな問題につき、適用法律及び訴訟制度の建設に係る研究を深め、国際社会における知的財産権保護の有意義な経験を適切に借りて、外国における知的財産権の新たな研究成果を踏まえた上で、科学的で合理的で実行性に富んだ対策と意見を提出し、調査·研究成果の転化を促進する。国際社会の知的財産権の立法活動に積極的に参与する。
25. 知的財産権の司法提案を積極的に展開する。知的財産権案件の審理の中で、地方政府·企業·科学研究機関などが知的財産権に係わる作業における問題を発見した場合、行政上の主管部門·業界協会及び企業·科学研究機関などに早急に司法提案を提出し、彼らが制度を改善し管理を強化することにより抜け穴をふさぎ隠れた危険を取り除くよう監督·促進し、地方の共産党委員会及び政府の政策制定に依拠を提供する。わが国の科学経済発展及び業界の興廃に重大な影響を生じうる知的財産権の発展傾向につき、関係機関が対策を前もって準備しておけるよう適時に警報を発する。
26. 知的財産権の司法的保護に関する宣伝を強める。人民法院のニュース発表制度と結びつけながら、知的財産権裁判における重要ニュースや典型的案件を適時に公表する。裁判の公開·透明原則を堅持し、関係規定及び要求に従って、発効した知的財産権判決書をインターネットを通じて適時に発表する。影響力のある案件を選定し、人民代表大会の代表、政治協商委員会の成員、業界協会及び関連部門の代表、外国政府及び国際組織の中国駐在代表、専門家や学者など有識者及び社会公衆を招いて開廷審理を傍聴させることにより、知的財産権裁判に係わる公開性と公信力を強化する。海外に対する宣伝を強め、世界各国のわが国における知的財産権の司法的制度及び保護状況に対する全面的で客観的な理解を深める。
革新型国家に強力な知的財産権の司法的保障を提供するのは人民法院の神聖なる職責である。各レベルの人民法院及び全ての知的財産権の裁判官は、「知的財産権の裁判業務を完璧に履行し、革新型国家の建設に強力な司法的保障を提供する」ような責任感と使命感を強め、着実に業務を進め、革新を実行し、公平的·効率的で権威性を持つ知的財産権の司法的保護制度を立ち上げ、革新型国家の建設に良好な法治環境を作るよう努力すべきである。
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