税関の知的財産権保護についての簡単な紹介
Q: 知的財産権の税関保護とはなんですか。
A:知的財産権の税関保護は知的財産権の出入国保護、知的財産権の水際保護、または知的財産権の水際法執行ともいえます。国家の法律や行政法規から保護を受けている知的財産権を侵害した貨物の出入国を法律に基づいて税関で取り締まることを言います。
Q: 税関の知的財産権保護の必要性はなんですか。
A:国際貿易の急速な発展に伴い、知的財産権を侵害した国際貨物の数も近年来、増加の一途を辿っています。各国の模 倣品の生産高は毎年、世界全体の貿易高の5%を占めるおよそ1000~1200億ドルに達しています。侵害製品による貿易の氾濫はすでに国際貿易の秩序を著しく破壊し、国際貿易における不正競争の重要な課題となっています。さらには、模倣品は宇宙、航空、自動車、食品、薬品の生産と販売の分野にまで蔓延し、各国の国家の安全と人々の生命および健康に莫大な損害と脅威をもたらしています。 国際貿易における権利侵害、海賊版の取締対策として、各国では立法と司法分野の活動が強化されるとともに、税関の水際保護を含む行政手段に重点が置かれるようになっています。税関は出入国の管理機関として、輸出入の貨物に対して効果的な管理を実施することが可能で、侵害貨物の出入国に対する取締の活動で重要な役割を果たしています。現在、ほとんどの国家では侵害貨物の輸出入禁止に関する法律を制定しています。とりわけ、GATT(関税貿易一般協定)のウルグアイ·ラウンドで「知的所有権の貿易関連の側面に関する協定」(TRIPS)が合意された後、各国では相次いで国内の法律、法規に対する手当が行なわれ、税関に権利侵害の貨物の出入国を取り締まる措置をとる職権が与えられました。
Q:中国はいつから税関における知的財産権の保護を始めたのですか。
A:中米知的財産権協議で承諾した義務を履行するため、中華人民共和国の国務院は1994年7月5日に「知的財産権保護の活動を更に強化する決定」を発布しました。同「決定」では「諸外国が加盟した『工業所有権保護に関するパリ条約』と『文学芸術作品の保護に関するベルヌ条約』の関係規定を守り、対外の経済技術貿易における知的財産権保護を強化するために、知的財産権保護および侵害製品の出入国取締における税関の職能を強化して、必要な水際対策を講じて侵害製品の輸出入を取り締まる必要がある。税関は関係部門と協力し、法律に基づいて知的財産権の水際保護措置を徹底しなければならない」と規定されています。 国務院の指示に従い、税関総署は1994年9月1日に、中華人民共和国の法律と行政法規の保護を受けている知的財産権を侵害した貨物の輸出入を禁止するとの公告を発表しました。これによって、知的財産権の出入国保護は中国税関の職責となっています。
Q: 中国の知的財産権税関保護にどんな特徴がありますか。
A:中国の知的財産権税関保護には以下の三つの特徴を持っています。 ①輸出と輸入の二つの段階で同様に保護措置を実施します。中国の税関は各国と同じように侵害貨物の輸入を取り締まるほか、中国から輸出される貨物にも保護措置が適用されます。 ②商標と著作権に対して保護措置をとるほか、特許、実用新案、意匠も税関保護の範囲に組み入れられています。 ③税関は差し押さえた貨物を一律に没収し、国内または国外へ運び返すことはできません。
Q:中国税関ではどのような原則に基づいて知的財産権の保護を実施するのですか。
A:中国の税関は知的財産権保護措置の実施にあたり、「知的財産権税関保護条例」の要求を踏まえて、以下の三つの原則を遵守しています。 ①知的財産権保護の効果と合法的な貿易の利益をともに重視します。税関は適時で効果的な知的財産権保護の措置をとらなければなりません。侵害事実が確認された貨物に対して法的手続きに基づいて差し押さえ、没収、処理を行い、商業分野への流入を認めてはいけません。侵害貨物の荷受人と発送人について、税関は法律に基づいて処罰するか、または刑事責任の追及のため関係部門へに移送します。 ただし、通関手続きは国際貿易の手続きにおける重要な構成要素であるため、税関の知的財産権保護の強化に際して、合法的に貿易の便宜を図り、貨物の発送人と荷受人の合法的な利益を守るという税関の責任も考慮されるべきです。このため、税関は知的財産権保護の実施にあたり、厳格な法定手続きに従って行い、貨物の発送人と荷受人を含むすべての当事者の合法的な利益を保護しなければなりません。 ②申請を受けて保護措置をとるほか、自主的な保護も実施します。「自主的な保護」というのは、税関が社会の公共利益の保護をねらいとして、国家の出入国管理機関としての職責を法律に基づいて履行し、中華人民共和国の法律および行政法規の保護を受けている知的財産権を侵害した貨物と侵害者に対して調査、処理を行うことをさします。 「申請を受けて保護措置をとる」というのは、権利人による登録内容または登録済みの権利人の保護措置を求める税関総署への申請に基づいて、輸出入地の税関が出入国の侵害貨物と侵害者に対して調査、処理を行うことをさします。 大多数の国では「申請を受けて保護措置をとる」というやり方しか実施されていません。中国は国外の税関から知的財産権保護の経験を学ぶうえ、国内の実情を合わせて両方の措置を実施することを決めました。 ③当事者の民事係争には介入しません。知的財産権の侵害は当事者の間の民事係争であり、税関は国の出入国管理機関として知的財産権保護の実施に際しては、「当事者間の民事係争に介入しない」という原則を遵守します。具体的では、税関は調査の過程で権利の確認と調停はしません。 |