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2003年度 中国知的財産権保護状況白書

 2003年は、中国政府が知的財産権の保護活動を一層強化し、新たな進展を得た1年だった。
 2003年に中国で受理された3種の専利(特許、実用新案、意匠)出願は30万件を突破し、商標出願の受理は45万件を突破、著作権保護活動も著しい成果を上げた。修正「中華人民共和国知的財産権税関保護条例」が制定された。公安部門は海賊版の摘発を強化し、文化部門は音響映像市場をさらに規範化し違法活動を取締まった。植物新品種の保護も重要な進展を見せた。知的財産権分野での国際交流·協力はさらに拡大された。 

1. 知的財産権制度のさらなる整備

 世界貿易機関(WTO)加盟後の新たな状況に適応するため、中国政府は知的財産権関連法規の大規模な整理と、関連制度のさらなる整備を行った。2003年、国務院は改正「中華人民共和国知的財産権税関保護条例」を公布、国家版権局は「著作権行政処罰実施弁法(規則)」を修正した。国家知識産権局は「専利実施強制許可弁法」および「専利代理管理弁法」を制定した。WTO規則に合致しない26件の知的財産権関連規則および文書を改正または廃止した。中国の知的財産権法に関する各種審議はWTOを通過した。
 2002年8月から2003年4月、国家知識産権局は外交部、国家工商行政管理総局、国家版権局など21部門と共に、2003年4月26日に北京で開催が予定されていた「世界知識産権指導者会議」の準備を進めていたが、新型肺炎(SARS)の影響で開会が延期された。しかし中国政府の知的財産権事業を強く重視し、準備を8ヶ月間もの長期にわたり行ったことにより、その準備活動を通して世界知的所有権機関(WIPO)加盟国との友好関係が強化された。また、市民の知的財産権意識に一定の向上が見られ、政府の知的財産権関連各部門間の協力および協調がさらに深められた。
 9月22日から10月1日、第39回WIPO総会がスイスのジュネーブ開催され、国家知識産権局の王景川局長が総会副議長に、国家工商行政管理総局の李東生副局長がマドリッド同盟総会の副議長に、国家版権局の沈仁幹副局長がベルヌ同盟執行委員会の副委員長に選出された。王局長を団長とする中国代表団はイドリスWIPO事務局長と会談し、国際特許制度、遺伝子資源、伝統知識および民間文芸など、国際的に注目される知的財産権問題について意見を交わした。会談ではWIPOと中国とのこれまでの全面的な協力が評価され、双方の良好な協力関係をさらに維持·発展させていくことが合意された。
 市場経済秩序をさらに整備·規範化するため、国家知識産権局は「知的財産権侵害製品一掃活動のさらなる強化に関する通達」と「SARS対策中の知的財産権保護活動の強化に関する通達」を出した。各地の知的財産権管理部門はこれらの通達に従い、知的財産権侵害製品の製造·販売、偽商品などの取り締まりにおいて新たな進展を得た。
 SARSとの戦いに際し、中国政府はSARS対策特許の出願受理のための「緑の通路」を設置、SARS関連特許を最優先のスピードで審査·許可し、関連技術を迅速に市場に投入させた。また、関係単位がSARS対策に資する特許文献データベースを開設したことにより、既存技術を十分に掌握した上で新たな特許技術を開発するための、重要な情報面でのサポートが数多くの研究者に与えられた。


2. 専利事業の新たな業績

 2003年、国家知識産権局は計30万8487件の専利出願を受理した。前年同期の25万2631件と比べ、22.1%の増加である。国際出願の受理数は、2002年から220件増の1171件に達した。国際予備審査請求書計700件受理し、656件の予備審査報告を作成した。
 2003年の専利出願には、3つの顕著な特徴が認められた。(1)3種の専利出願数が均衡状態を呈した。過去16年間で初めて、特許出願件数が実用新案の出願件数に近づいた。特許出願数は前年比31.3%増と、他の専利を大きく上回る増加率を示した。(2)過去8年間で初めて、特許の国内出願数が、国外からの出願を上回った。1994年に特許協力条約(PCT)に加入して以来、わが国では国外からの特許出願が激増し、国内出願がこれを下回る状態が続いていた。しかし2003年には、国内出願数が5万7千件、国外からの出願数が4万9千件となった。(3)専利法実施以来初めて、国内外の職務関係の出願件数が、非職務出願の件数を上回った。原因は国内職務関係出願の急増(前年比26.1%増)にある。国内の職務発明の出願は3万4731件(前年比53.2%増)で、実用新案と意匠の職務関係出願の増加率(各23.3%、8.8%)を上回っており、国内では職務関係出願が総出願数の4割以上に達した。
 2003年末までに国家知識産権局は累計193万1118件の専利出願を受理した。国内出願は159万5415件(全体の82.6%)、国外からの出願は33万5703件(同17.4%)である。
 2003年、国家知識産権局は18万2226件の専利権を付与した。これは前年同期比13万2399件、37.6%の増加である。このうち国内は14万9588件(前年同期比11万2103件、33.4%増)、国外は3万2638件(同2万296件、60.8%増)だった。
 2003年末までに国家知識産権局は累計106万5261件の専利件を付与した。このうち国内は94万1940件(全体の88.4%)、国外は12万3321件(同11.6%)である。
 2003年、国家知識産権局は1813件(前年比857件、88.6%増)の再審判請求を受理した。このうち、審理部門の特許出願拒絶査定に対する不服審判請求および特許権の取消請求査定に対する不服審判請求が、全体の96.1%にあたる1742件を占めた。2003年、1235件の最審判請求の審理が終了し、2003年末時点で1240件の審理が行われている。
 通年で国家知識産権局が受理した専利の無効宣告請求は計1813件(前年比61件、3.4%増)に達した。通年で1617件の無効宣告請求の審理が終了し、2003年末時点で1580件の審理が継続されている。
 各地の知識産権管理局は、的確かつ迅速な行政執法プロセスと、優秀な専門性を発揮している。迅速な処置の可能な行政執法の特徴を活かし、専利紛争事件を効率的に処理し、専利偽称·詐称行為などを取り締まっている。2003年に各地の知識産権管理局が受理した専利紛争事件は1517件。1237件に裁定が下され、専利偽称による立件は1837件、他者の専利の詐称による立件は164件に上った。
 2003年、国家知識産権局には193件の集積回路設計登録出願が寄せられ、204件の登録公告·証明書発行が行われた。2003年末までに、国家知識産権局には計438件の集積回路設計登録出願が寄せられ、366件の登録公告·証明書発行が行われた。

3. 商標保護の強化

 2003年、商標局は45万2095件の商品·役務商標出願を受理した。前年比8万数千件、21.6%の増加で、過去最高の出願数となった。このうち国内出願が40万5620件(前年比26.3%増、全体の89.7%)で、国外からの出願が3万3912件(全体の7.5%)となった。マドリッドプロトコルに基づく国際登録出願は1万2563件で、全体の2.8%を占めた。
 2003年、商標局は商標更新申請2万2403件、商標異議申立8734件、商標変更申請4万2149件、商標譲渡申請4万6995件、商標取消請求4410件、商標使用許諾契約届出1万9795件、証明商標出願127件、団体商標出願56件を受理した。
2003年、商標局は計24万5737件の商標出願を審査し、24万2511件の商標登録を認可、登録商標事項変更3万4378件、登録商標譲渡2万3184件、商標取消3万2653件、商標使用許諾契約届出1万2886件を処理した。
 2003年、商標評審委員会は計9967件の商標審議請求を受理した。そのうち登録拒絶と商標登録取消に関する再審請求が全体の82.68%にあたる8241件、異議申立の再審請求と争議の裁定請求が同17.32%にあたる1726件を占めた。通年で、商標評審委員会は計2152件の商標案件を審理した。そのうち登録拒絶と商標登録取消に関する再審請求が全体の88.06%にあたる1895件、異議申立の再審請求と争議の裁定請求が同11.94%にあたる257件を占めた。81件が法廷に持ち込まれ、そのうち17件が上訴された。
 2003年、全国各級の商工業行政管理機関は、商標行政執法、詐称など商標権侵害行為への厳格な取締り、商標登録者の合法的権益と消費者利益の適切な保障などを、引き続き強化した。統計によると全国各級の商工業行政管理機関は通年で、各種の商標違法案件計3万7489件(商標一般違法案件1万1001件、商標権侵害詐称案件2万6488件)を調査·処分した。違法商標標識8475万5千件を押収·撤去し、商標権侵害に直接使用された鋳型·印刷機器など1万5597点を押収し、商標権侵害製品5754.92トンを廃棄した。罰金の総額は2億4200万元に達し、45件を司法機関に送致し、刑事責任を追及した。
 「オリンピック標識保護条例」の公布·施行以来、各地の商工業行政管理機関はオリンピック標章の保護活動を積極的に展開している。北京市はオリンピック標章保護活動を実施、計2千人以上を動員して、6千軒以上の店舗、デパート、500カ所以上の市場を検査した。また、94カ所の大通りを重点的に検査し、大型広告600枚以上を整理、権利侵害標識をプリントした商品および包装物13万点以上を押収し、33件を提訴した。湖北省は企業1万8900社以上、大型デパート528軒、日用雑貨市場1168カ所、ショッピングサイト1万1600、その他1万4400カ所以上を検査、権利侵害製品1万6千点以上を押収し、62社に改善命令を出し、25件を提訴、罰金·没収金計11万元余りを科した。第29回五輪組織委員会エンブレムが発表されると、商標局は直ちに「第29回五輪組織委員会エンブレムの保護に関する通達」を出し、全国各級の商工業行政管理機関に積極的に職責を履行し、その保護を適切に強化するよう求めた。同時に商標局は第29回五輪組織委員会法務部を指導してオリンピックマーク専用権所有企業に対し公示を行い、その合法的商業活動を保障するとともに、同専用権の侵害を調査·処分した。


4. 著作権行政執法の顕著な成果

 2003年、中国政府の各級著作権行政管理部門は国務院「市場経済秩序の整備および規範化事業統一部署」に従い、公共利益を損なう各種の海賊版活動に打撃を加え、監視·取締まり·活動を強化、革新の推奨、産業発展の促進、市場秩序の規範化、対外開放の拡大などで顕著な成果を上げた。
 2003年、全国各級の著作権行政管理機関が受理した案件は、前年の3.6倍近くの2万3013件に上った。97.46%にあたる2万2429件の審判が終了し、このうち行政処罰が2万1032件、調停が1173件、司法機関への送致が224件だった。案件受理数および行政処罰数の多い5地区は広東省、広西チワン族自治区、河南省、江蘇省、福建省。
 2003年、国家版権局は全国規模の集中取締り活動を3回組織した。4月26日の「世界知的財産権デー」を記念し、中国政府の関連部門は3月から4月にかけて「全国春季海賊版取締り特別活動」を組織。9月には国家版権局、教育部、全国掃黄打非弁公室など関係部門が共同で「2003年秋季海賊版教材·副読教材取締り専門活動」を組織した。9月から1月には国家版権局が全国規模の海賊版ソフト取締り専門活動を組織した。これらの取締まり活動では、著作権執法部門から延べ15万人が動員され、市場2万カ所、露店6万7千店、企業500社以上、学校8千校が検査された。この結果、各種海賊版製品1290万点が押収され、2542社が行政処罰の対象となり、281万元の罰金が科せられ、違法商店1981店が取締まられた。
 著作権関連法規の改正と歩調を合わせ、その執行をさらに現状のニーズに適応させるため、国家版権局は2003年7月24日に改正「著作権行政処罰実施弁法」を公布し、同年9月1日より施行した。これにより著作権行政執法がさらに整備され、そのプロセスが保障されるとともに、著作権行政管理部門の行政執法行為が規範化された。
 2003年、全国の各出版社が輸入した図書著作権は1万2516件で、前年から一定の増加を見せた。国内各出版社の図書著作権輸出数も大幅に増加し、「2003年北京国際図書博覧会」だけで3千件以上の図書著作権輸出が成約された。輸入上位5地区は北京、上海、広西、遼寧、海南。輸出上位5地区は北京、上海、江蘇、遼寧、広東。
 2003年、中国政府は著作権保護活動において、一般市民·社会向けのPRをさらに重視した。5月初めに国家版権局は「海賊版は行き止まり 足を踏み入れないで」と「正規ソフトを支持しよう」の2本のテレビコマーシャルを製作し、5月末から6月初めにかけて中央電視台および北京、上海、天津、山東、江蘇、吉林、福建、広東、四川、内蒙古、湖南など各地のテレビ局で放送した。9月には海賊版ソフト取締り活動と足並みを揃えるため、反海賊版のPRポスター2種類を製作し、全国各地の版権局に配布·掲示した。同時に、国内外の各メディアとの協力関係も維持し、国内の中央クラスメディアに200本近くのニュースを配信した。各地の版権行政管理部門も日常の宣伝活動に工夫をこらし、社会向けのPR活動を展開した。
 

5. 税関での知的財産権保護の一層の強化

 2003年、中国税関は知的財産権の水際保護を引き続き強化し、司法機関、知的財産権主管部門など関係各機関との緊密な協力を行い、権利者との疎通および協力を強化した。これにより輸出入の現場で知的財産権の侵害が効果的に抑制され、市場環境が浄化され、輸出入秩序が維持され、権利者の合法的権益が効果的に保護された。
2003年、国務院は税関における約8年間の知的財産権保護業務の実践と経験を総括した上で、税関、権利者、代理人など各方面への広範な調査を行い、修正「知識産権税関保護条例」を公布した。同条例は、税関におけるこれまでの同業務における問題点を解決し、業務能力を高め、さらにスムーズな業務遂行を可能にした。
 2003年、税関総署は国内外の権利者から計1240件(前年比13.97%増)の知的財産権保護登録申請を受け、計1353件(同60.3%増)を登録した。全国の税関で押収された知的財産権侵害案件は計756件(6797万元相当)に上った。内訳は輸入関連が9件(同27万元)、輸出関連が747件(同6770万元)。権利別では、商標権関連が741件(同6693万元)、専利権関連が14件(同104万元)、著作権関連が1件だった。
 2003年、全国各地の税関は引き続き強力な措置を講じ、内外有名ブランドの保護を強化した。ナイキ、アディダス、フィリップスなど海外有名ブランドの商標権侵害製品や、鑽石、蝴蝶、友誼など国内有名ブランドの商標権侵害製品を数多く押収した。国内外の権利者は、知的財産権の保護における中国税関の努力と成果に、繰り返し感謝の意を表した。同年4月、合肥税関は、江蘇省の貿易会社が輸出申告し、「宇宙牌」の商標権を侵害していた電気溶接棒45トン(15万元相当)を押収した。6月に深セン税関は、中山市の貿易会社が輸出し、「SONY」の商標権を侵害していたラジオ(同11万元)を押収した。8月に寧波税関は、深セン市の貿易会社が輸出し、「NIKE」の商標権を侵害していた運動靴(同26万元)を押収した。10月に南京税関は、安徽省の貿易会社が手がけ、「飛鶴」の商標権を侵害していた石油ランプ(同12万元)を押収した。
 2002年4月、国務院公布の「オリンピック標識保護条例」により、税関はオリンピック標章の専有権侵害製品の輸出入を水際で取締まることになった。2003年にも、税関は数多くの同専有権侵害製品を押収している。福州税関は、同専有権を侵害し、福建省の貿易会社が輸出しようとしていた運動靴(17万元相当)を押収した。
 知的財産権保護の水際での実施は複雑なシステムだ。税関は知的財産権保護業務に際し、権利者との連絡および協調の強化、知的財産権主管部門との疎通および協力の強化、海外関係部門との協力および交流の強化、関係各者の共同関心事の検討を十分に重視し、誤解を取り除き、理解を深め、協力を強化し、経験を分かち合い、知的財産権保護業務の水準を高めていく。2003年、中国税関は中国外商投資企業協会優質品牌保護委員会(QBPC)、オリンピック組織委員会など権利者機構と繰り返しシンポジウムを開き、米国税関、EU税関など海外関係機関とも交流を重ねた。企業の知的財産権保護意識を強化するため、各地の税関は「法制宣伝日」と「世界知的財産権デー」に、税関での知的財産権保護の知識に関する大規模な宣伝相談活動を行い、社会からの良好な反応を得た。税関業務の水準を高めるため、寧波、上海、深センなどの税関は権利者を招いて税関係官への研修を進め、権利侵害貨物の識別能力を高めた。


6. 知的財産権保護を強化、音響映像ソフト市場を規範化、違法活動の取締まり

 2003年、全国各級の文化行政部門は引き続き音響映像ソフト市場の整備と規範化を行い、大規模な密輸、海賊版など違法経営活動を厳重に取締まった。統計によると、文化部門は通年で音響映像ソフト計1億2千万点を押収し、許可証3984件を取り消した。公安に引き渡し、司法機関で処理された案件は1583件、うち134件に刑事罰が科せられた。
 2003年、各地の文化行政部門はSARSの影響を克服し、音響映像市場の検査を引き続き強化し、一連の重大事件を処分した。2月22日、四川省文化市場管理部門は公安部門の協力により突撃行動を実施し、8時間のうちに鎮守廟付近の海賊版音響映像ソフトの違法倉庫15カ所を一斉摘発し、各種違法音響映像ソフト113万点以上を現場で押収、成都市、さらには四川省の複数の巨大海賊版販売ネットワークを徹底的に粉砕した。7月15日、遼寧省文化庁と瀋陽市公安局は市民からの通報を受け、違法倉庫4カ所を摘発し、海賊版音響映像ソフト58万点を押収した。同件は立件捜査され、順調に処分が進んだ。12月30日、河南省文化庁と関係部門は市民からの通報を受け、計1千人以上を動員した11時間余りの作戦により、鄭州市商城路付近の違法音響映像ソフト巨大拠点を徹底的に打破した。この際、違法音響映像ソフト2700箱(袋)が押収されたが、これは大型トラック19台分に相当し、河南省で一度に押収された違法音響映像ソフトとして、過去最多を記録した。
 無認可コピーの光ディスク、SID(Source Identification Code)を解読困難にした光ディスク、SIDのない光ディスク、輸入MP3、MP4など違法音響映像ソフトの大量出現といった市場の新動向に対応し、文化部は2003年9月22日、「無認可コピーの光ディスク、SIDを解読困難にした光ディスク、SIDのない光ディスク、輸入MP3、MP4など違法音響映像ソフトの厳重な取締まりに関する通達」を出した。文化部は各種違法音響映像ソフトの特徴を明確化し、重点取締まりリストを公表するとともに、各地の文化行政部門に対して、市場動向を注視し、断固とした取締まりを行い、新形式の違法経営活動の蔓延を抑制するよう指導した。
 山東省文化庁は2001年3月に音響映像市場を接収管理して以来、「取締まりと支援、整理と建設の両立」原則を堅持し、チェーン経営網の確立を積極的にサポートし、市場構造の改善を推進してきた。これにより全省で4つの大規模チェーン、大型スーパー57店、音響映像ソフトのチェーン店舗2290店が完成し、チェーン·スーパー主体の経営システムの基本的形成がなされた。
 文化部は1999年以来、反海賊版宣伝活動を毎年展開し、多様な形式により、法制度のPRを強化し続け、市民の反海賊版意識の向上に努めている。2003年、文化部は「刑法」「音響映像製品管理条例」「著作権法」の関連条項および最高人民法院、最高人民検察院、公安部などの関係司法解釈を重点とした、社会全体における広範かつ詳細な法制宣伝活動を展開し、市民を順法経営へ導くとともに、その知的財産権保護意識を高めた。各地の文化行政部門は公安、検察院、法院などの支持と協力を積極的に導入し、他地区の違法音響映像ソフト対策の成功経験を学習し、立件·捜査·処分·送致などのプロセスと基準の規範化を進め、違法経営活動への取締り能力を強化した。北京、上海、浙江、福建、 四川、湖南などでは不法経営罪、知的財産権侵害罪、ポルノ物品販売罪などによる刑事事件100件余りが次々に結審し、海賊版分子が実際に法廷に引き出され、監獄に送致された。これは社会に強烈な反応と衝撃をもたらし、巨大な犯罪抑止効果を生んだ。
 2003年10月15日から17日にかけて、文化部は山東省済南市で「全国音響映像市場建設成果現地会議」を招集し、音響映像市場秩序の整備と規範化を基礎とした上で、チェーン経営の発展、流通のメインルート建設、市場の繁栄と発展の推進、市場の健全かつ迅速な発展に向けた良好な市場環境の創造などの指導を行った。

7. 知的財産権保護に関する公安対応能力の強化

 2003年、全国各級の公安機関は海賊版およびポルノ製品事件計3万4700件余りを摘発し、容疑者4万1千人を逮捕し、海賊版およびポルノ光ディスク1億1400万枚以上、違法出版物3720万冊以上を押収、違法光ディスク生産ライン34本を差し押さえた。
 2003年5月13日、広東省公安庁治安総隊は江門市公安機関を組織し、台山市三合鎮の廃棄石油タンク地下で、違法光ディスクの生産ラインを摘発した。これにより違法光ディスク生産ライン6本(DVD用4本、VCD用2本)および関連設備を差し押さえ、海賊版光ディスク10万7千枚余り、ポリカーボネート樹脂11.5トンを押収した。これらは総額にして1300万元余りに相当する。また、生産拠点の責任者、容裕良容疑者など関係者19人を逮捕した。11月2日から13日にかけて、広東省公安機関は、汕頭、掲陽、深セン、韶関などで一斉摘発を行い、違法光ディスク生産ライン7本を差し押さえ、関係者21人を逮捕し、海賊版光ディスク40万枚以上、マザーディスク280枚以上、および生産原料を押収した。2003年末までに公安機関が押収した違法光ディスク生産ラインは計177本に上る。2月、四川省公安庁は成都市公安機関を組織し、事前捜査に基づき同市内の海賊版光ディスク貯蔵販売拠点6カ所に突撃し、海賊版光ディスク113万枚余りを一挙に押収するとともに、蘇汀財など十数人の容疑者を逮捕した。5月と6月、福建省福州市辺防支隊は連江県黄歧鎮避風港、浦口鎮松塢村などの区間で密輸光ディスクを運搬していた「閩連漁1236号」などの船舶、車両を相次いで差し押さえ、密輸光ディスク16万枚余りを押収した。11月、甘粛省金昌市公安機関は市内出版物市場の治安秩序に対する集中取締りを行い、街頭販売拠点20カ所余りを摘発、出版物市場105カ所を検査し、海賊版出版物2万6千点余りを押収した。
 2003年、各地の公安機関はポルノ製品の製造販売、海賊版事件に対する対応能力をさらに高めた。湖南省公安機関は湖北、山西、河南など各地公安機関の力強い協力の下、公安部管轄の海賊版副読教材製造販売事件「9·30」事件を見事解決し、譚慧淵容疑者らが28種類·数十万冊の海賊版副読教材を製造販売していた事実を明らかにした。同時に、海賊版副読教材10万冊以上、印刷工場6カ所を差し押さえ、譚慧淵·毛杏飛ら容疑者十数人を刑事拘留した。広東省公安庁は2カ月以上にわたる綿密な捜査を経て、公安部管轄の海賊版光ディスク製造販売グループ事件「6·11」事件の摘発に成功した。容疑者34人が逮捕され、マザーディスク2453枚、海賊版光ディスク96万枚以上、コピー用パソコン5台、SID消去用機器11台を押収した。

8. 植物の新品種保護業務の強化

 2003年、農業部と国家林業局は植物の新品種保護の宣伝と教育、取締まりと検査、品種権実施の促進など重要分野での業務を強化し、農業技術者の品種権保護意識と自信を高め、「植物新品種保護条例」の施行に重要な進展をもたらした。
 2003年、農業部は計567件(前年比96%増)の品種権出願を受理し、261件に品種権を付与した1999年から2003年の間に、農業部は計1304件の品種権出願を受理し、428件に品種権を付与している。国家林業局は48件(前年比31件増)の品種権出願を受理し、7件に品種権を付与した。2003年、代理機関を通じて国家林業局に出願された国外からの植物新品種権出願は計35件で、これは5年間の国外総出願数(46件)の76.1%にあたる。
 2002年から2003年にかけて、農業部は黒龍江、山東、江蘇、四川、雲南、陝西の6省で植物新品種保護の試行事業を展開した。これらの省では品種権の出願数が大幅に上昇した。また、行政執法業務も強化され、種子市場の環境が改善された。農業関係者の品種権保護意識は明らかに高まり、法に基づき権利を保護し、順法生産経営を行う好ましい雰囲気が次第に形成されている。
 「植物新品種保護国際条約」および「中華人民共和国植物新品種保護条例」の規定に基づき、中国は保護リストの公布により新品種の保護範囲を確定している。2003年8月5日、「農業部第32号部令」により第5期農業植物新品種保護リストが発表された。今回は高梁、大麦属、ラミー属、林檎属、柑橘属、バナナ、キウイ属、葡萄属、スモモ、茄子、アフリカ菊など、新たに11の属·種が加えられ、保護対象の属·種は計41に達した。
国家林業局はこれまでに3期45属(種)の植物新品種保護リストを発表した。2003年にも、第4期リストの募集を行うなど、保護範囲の拡充を続けている。
 2003年、農業部は14の農業科学研究単位を組織して20種の植物検査指針の開発をスタートし、保護リストの一層の拡充と新品種検査技術の標準化に向けた基礎を固めた。
育種者の品種権代理業務に対するニーズを満たすため、農業部は2003年2月27日に全国11省で「植物新品種権代理人資格試験」を一斉実施した。上位成績者57人が植物新品種権代理人資格を取得し、同代理人は計157人になった。
 国家林業局は植物新品種代理機関の建設ペースを速め、全国林業代理ネットワークシステムを確立した。北京、安徽など13省市の16単位が国家林業局第2期林業植物新品種保護代理機関に認可された。
 植物新品種保護情報ネットワークの建設は、植物新品種保護国際条約および中国植物新品種保護条例の要求であり、植物新品種保護事業を進める上での基礎的事業でもある。2003年、国家林業局は林業植物新品種保護ウェブサイトのメンテナンスをさらに強化し、タイムリーに情報を更新、新品種の審査および関連事項を通達した。情報量を増やすとともにユーザビリティを高め、サイトアクセス率を高め、林業植物新品種保護事業を宣伝し、その透明性を高めた。
 アジア地域での植物新品種保護制度の発展を推進するため、植物新品種保護国際同盟(UPOV)は2003年3月と11月の2回、カンボジア、ミャンマー、シンガポール、ラオスでの「植物新品種保護シンポジウム」に農業部係官を招き、中国での植物新品種保護制度の進展、新品種検査指針の開発および新品種検査の情況についての紹介を求めた。
 2003年10月、農業部、国家林業局、在中国オランダ大使館は上海で「中国―オランダ 植物新品種の保護および検査技術に関する交流シンポジウム」を開催した。同シンポジウムには品種権の審査·検査業務に関わる管理·技術人員、オランダ人専門家など50人余りが参加した。両国は新品種の保護、特に新品種DUS検査技術の経験を共有し、相互に学び、長所を取り入れ短所を補い、管理水準を高め、植物新品種保護事業の共同発展を促進した。
                           

9. 国際交流と協力の一層の開拓

 2003年10月23日と24日、EU―中国知的財産権協力プロジェクトの枠組みの下、国家知識産権局と欧州特許局は国際シンポジウム「中国と欧州の知的財産権保護協力の回顧、現状、そして展望」を北京で開催した。同シンポジウムには、国家知識産権局、商務部、国家版権局、国家工商行政管理総局などの代表、内外の知的財産権専門家および各界代表300人以上が出席した。中国とEUは知的財産権協力、中国における知的財産権保護などの問題について内外記者との会見を行った。
 11月14日、中国·日本·韓国の知的財産権管理局は第3回目となる局長級政策対話会議を北京で開催した。会議では各国の最新情勢、特許審査期間の短縮と審査効率·質の向上に向けた措置が紹介されたほか、ASEAN各国との協力、国際的な知的財産権問題について見解が交わされた。会議後には覚書が署名され、3局のさらなる協力進展の基礎が固められた。
 12月9日から17日にかけて、王景川局長を団長とする国家知識産権局代表団がメキシコとブラジルを訪問した。王局長は温家宝総理のメキシコ公式訪問に関する業務を進めるとともに、国家知識産権局とメキシコ工業産所有権局との協力計画に署名した。この訪問により、発展途上の大国における知的財産権部門間のハイレベルな政治対話が実現された。これは両国の相互理解と共通認識の深化、遺伝子資源および伝統知識保護を含む知的財産権分野における協力拡大を、前進させる役割を果たした。また、今後の国家知識産権局とメキシコ·ブラジル両国工業所有権局の一層の協力進展に向けた基礎が固められた。
 9月22日から10月1日、国家工商行政管理総局の李東生副局長はジュネーブで第39回WIPO総会に出席した。
 11月14日、国家工商行政管理総局商標局の安青虎局長は、日本特許庁の今井康夫長官と会談し、両国商標局の最新情報、商標審査、人材育成、商標権の保護などについて意見を交わした。
 11月3日から5日、中国代表団はジュネーブで開催されたWIPO著作権等常設委員会第10回会議に参加した。国家版権局の沈仁幹副局長は同委員会副委員長に選出されたほか、ネット放送、放送コンテンツの暗号化·暗号解除などの問題について発言を行った。
 11月20日から28日、国家版権局とWIPOは「WIPO著作権条約(WCT)およびWIPO実演·レコード条約(WPPT)における『公衆への伝達権』に関する巡回シンポジウム」を共同開催した。シンポジウムではWCTおよびWPPTで提起された、新技術環境が生んだネット伝達権の関連概念·関連問題について討論が行われた。(以上) 



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