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第三回特許法改正の研究課題ガイダンス

 法律に対する改正や修正の基礎は、存在する問題と必要な改善措置に対する深い認識と科学の結合であり、また深い研究を基盤とするものである。特許法とその実施細則をめぐる三回目の改正のために広範な課題研究が行われたが、以下に、検討が必要な関連の可能性のある問題を列挙した。ここで指摘しておくべきこととしては、これらの問題はいくつかの例を挙げたに過ぎず、全てのケースではない点である。我々は、三回目の特許法改正のための課題研究が構想を拡大し、広く知恵を集めて有益な意見を求めることができ、そこから中国の特許制度を可能な限り改善するという目的を達することを希望する。

(一)特許申請手続きと審査手続きの改善

1. 特許申請と特許審査の費用徴収の簡略化

 現行の特許法実施細則の規定によると、特許申請、審査過程に関連する費用は10項目以上あり、これらの費用とそれぞれの減免額や追徴金、滞納金などを結びつけると、費用メカニズムとシステム全体が非常に複雑になり、専門人員以外にはわからなくなっている。実際の状況では、申請人が規則をよく知らないために期限が過ぎたり、支払費用に誤りがあるため権利を失う状況が発生している。複雑すぎる手続きは申請人のリスクを増加させるだけでなく、各種費用の受領と期限の監視の面で国家知識産権局の行政管理コストも増加させる。こうした状況に対応して、費用項目と管理モデルを合併、簡略化し、申請人の便宜をはかり、管理コストを節約する必要がある。

2. 発明と実用新案特許の重複の問題について

 実際の状況では、ある発明創造は発明特許の出願申請を行うことができるだけではなく、実用新案特許の出願も申請することができる状況が多い。過去には、発明特許の審査許可の時間が長いため、速やかに特許を保護するために、同一の申請人が発明特許申請と実用新案特許申請を同時に提出することが比較的一般的だった。こうした方法を許可するかどうか、またどのように処理するかについて、現行の特許法とその実施細則では規定していない。「審査指南」では関連の規定を行っているが、法的な効力に欠け、実際の状況では意見の相違が見られる。この問題を解決するためには、特許法または実施細則の中で明確に規定する必要がある。

3.   「特許法条約」との適合に関する問題

 世界知的所有権機関は2000年に「特許法条約」(PLT)調印の外交会議を開催したが、中国は同条約の調印国である。世界知的所有権機関によると、同条約は今年5月に正式に効力を生じる。
同条約の制定主旨は、特許申請出願の形式や条件の面で、可能な限り特許申請人に便利な条件を与えることである。同条約の規定は、多くの問題において中国の現行の特許法とその実施細則の規定と異なっている。それらは以下のようなものである。

 (1)    優先権提出の要求する期限や条件、回復。
 (2)    特許申請出願日に提出必要な文書の種類。
 (3)    特許申請文書への採用が許可されている言語。
 (4)    回答期限の延長。
 (5)    期限を過ぎて権利を喪失したものの権利回復。
 (6)    申請人の特許代理人指定に関連する要求。

 中国の特許法とその実施細則の関連規定を改正する前に、中国が同条約への加入を批准しない可能性もある。また特許法とその実施細則を再度改正することを決定した場合、中国が同条約を受け入れるかどうかが避けられない問題となる。同条約の規定を受け入れることは、中国の現行の特許法とその実施細則の関連規定に対して大きな改正と調整が必要であることを意味している。このため、中国の現状と全体的な利益に基づいて、同条約の規定を全面的に研究し、中国の立場を確定するべきである。

(二)特許権の実体性付与条件の改善

1. 新規性の基準と創造性の基準について

 現在、世界知的所有権機関は「実体特許法条約」(SPLT)の制定業務を実施中で、各国の特許法における特許付与の実体性基準を調整している。数年にわたる話し合いを経て、現段階では現有技術の定義や新規性の基準、創造性の基準、新規性の猶予期間、遺伝資源の来歴の開示、充分な公開の要求といった6つのテーマにおける意向が徐々に形成されている。まだ正式な条約は結ばれていないものの、いくつかの問題における調整、統一の見通しは明るく、中国が3度目の特許法改正を行う過程で考慮する必要がある。
 中国の特許制度は最初から混合型の新規性基準を採用しており、出版物類の現有技術については絶対的基準を採用し、特許申請日より前に世界のどの場所で公開された出版物でもみな、新規性の現有技術に影響を与える。また、公知公用の現有技術には相対的基準を採用し、特許申請日より前に中国だけで発生していた公知公用の行為だけが、新規性の現有技術に影響を与える。現在、特許法の国際的調整の趨勢では、2つのタイプの現有技術についてどちらも絶対新規性の基準を採用している。
中国の現行の特許法では、新規性の基準の定義方式も世界で一般的に採用されている定義方式とは異なっている。中国特許法の新規性基準についての表現方法を変更するべきかといった問題を考慮する必要がある。
 中国の現行の特許法の創造性基準に関する規定方法と、世界で一般的に受け入れられている規定方法にも違いがあるが、国際基準に近づけるために、国家知識産権局は成立以来、創造性基準の実際の掌握程度において基本的には他の国家と一致している。こうした状況を鑑みて、国際的に通例の創造性基準の表現方式を採取するべきかどうかという問題を考慮する必要がある。
特許法とその実施細則の三回目の改正では、新規性の基準と創造性の基準の問題の点で充分に論議される必要がある。

2. 現有技術の定義と新規性の猶予期間について

 現有技術の定義と新規性の基準は緊密に関連しており、新規性の成立と否定を判断する基礎である。コンピュータとネットワーク技術の発展にともない、中国の現行の特許法で規定する範囲が厳重にコントロールされる新規性の猶予期間を明確にする必要がある。すなわち特許法第二十四条で規定される三種類の特殊な状況下で公開された発明創造の行為のみが、その後提出された特許申請の新規性に影響を与えないとされており、且つ猶予期間の長さは6ヶ月に限られているため、狭義の猶予期間とよばれている。特許法の国際的協調の状況では広義の猶予期間を採用しており、その範囲は大きく拡大され、且つ時間の長さは12ヶ月となっている。
 現有技術の定義と新規性の猶予期間の問題は、特許権利者と公衆の利益との合理的なバランスに関わっており、その重要性は明らかである。特に新規性の猶予期間は、先用権の持つ意味と範囲にも関連があるため、同時に考慮する必要がある。

3. 特許権を付与することのできる主題の範囲について

 ここ数十年、全世界で科学技術は空前の速度で急激に発展し、特にコンピュータハード·ソフトウエア、ネットワーク情報通信、デジタル技術を代表とするコンピュータ技術および、遺伝子を代表とする生物技術の飛躍的な進歩は、人類の社会や生産、生活の様相に巨大な変化を起こした。特許制度は科学技術の発展に寄与するものであるため、必然的に科学技術の発展に伴って発展しているが、そのうち重要な意義を持つのは、特許権を付与することのできる主題の範囲である。コンピュータプログラムと関連のある発明創造に特許権を付与することができるかどうか、遺伝子およびそれを基礎として生み出されたクローン技術に特許権を付与することができるかどうか、こうした主題に対する特許権の付与ではどういった制限的な条件を付け加えるべきか、といった点は現在世界中で広範に討論されている問題である。三回目の特許法改正の過程では、こうした問題に対する研究と討論を深める必要がある。もし必要ならば、中国の現行の特許法律とその実施細則の関連規定に対して必要な調整を行うべきである。
実用性の基準の統一的協調は、「実体特許法」の制定過程で各国の争議が比較的大きな問題であり、争議の焦点は、実用性の基準を通じて、一部のビジネス方法と生物遺伝子技術が特許を得る可能性を除外するべきか否かということにある。この問題と特許可能性との問題は互いに関連がある。これに対して、我々は研究を深めるべきである。

4. 生物遺伝資源の来歴の開示問題について

 「生物多様性条約」では生物と遺伝資源に関する三原則を規定している。すなわち主権原則、生物と遺伝資源利用の相互主義原則、そこから派生する経済的利益の配分の原則である。ここ10年余りにわたって、多くの発展途上国は、先進国家が知的財産権分野で占めている明らかな優位性に対抗して自身の利益を擁護するという立場に基づき、生物と遺伝資源およびそれと関連のある伝統的知識の保護についての国際的規則の形成を強くよびかけている。その第一歩として、発展途上国はそれを各国の特許法の中において反映させるべきであると考えている、すなわち各国の生物や遺伝資源を利用して生みだされた発明創造が特許を申請する際に、申請文書の中で利用した生物や遺伝資源の来歴を明記するべきだと規定するものとする。その来歴を明記していないものは、特許申請の却下の決定やその特許権の無効宣言の決定を下すことができる。この問題については、発展途上国と先進国の間で現在も熾烈な争いが行われている。
 国際規則の形成を積極的に進めると同時に、発展途上国の一部は国内の法律を修正し、生物と遺伝資源の保護に関する規定を付け加えた。先進国の一部でも類似の措置を採ることを前向きに検討中である。
 中国は生物や遺伝資源、関連の伝統的知識が極めて豊富な発展途上国として、国内の立法を通じて中国の生物と遺伝資源、伝統的知識を有効的に保護することを積極的に検討し、また中国の特許法に関連の規定を付け加えるべきである。これは複雑な業務であり、生物と遺伝資源および関連の伝統的知識の定義、来歴の合法的な範囲、来歴開示の方法などの重要な問題を深く研究する必要があり、特許法とその実施細則で原則的な規定を作るほかに、「審査指南」でその原則的規定を徹底するための具体的な要求を制定する必要がある。

5. 外観設計特許の授権基準

 現在、国家知識産権局の受理した外観設計特許申請の申請数は既に世界第1位で、中国は外観設計特許大国となっており、外観設計特許は中国の特許制度において重要な役割を果たしている。
しかし、外観設計特許の研究作業は、発明や実用新案特許に比べて比較的遅れている。長年の実践を通じて、中国の外観設計特許の保護対象や、製品の部分の外観に保護を提供することができるかどうか、同じまたは類似と判断する上での参照基準、特許権侵害の方法などについて、広範に関心を集め議論が行われている。多くの専門家はこうした問題に対して、特許法とその実施細則の関連規定の調整が急務となっている、と強く主張している。

(三)特許権の保護及び特許権侵害判定基準への改善

1. 特許権の効力の例外状況について

 現行の特許法第63条では、先用権、特許権の用尽原則、臨時越境利用、科学実験のための利用などを含む特許権の効力のいくつかの例外状況について規定している。実際の状況では、こうした規定にはまだ改善の余地があることが明らかになっており、改正や追加を通じて現有規定を調整する必要がある。
 平行輸入の問題や、薬品や医療設備のBolar条項の例外についての問題などは、特許権者の利益と公衆の利益の合理的なバランスに関連し、国家の全体的な利益と緊密な関係があり、現在世界で普遍的に注目を集め、また多くの争議を起こしている問題であり、重視すべきである。
薬品とは人類が生命の健康を維持するための必需品で、公衆の健康の問題に直接結びつくものであると同時に、製薬業はハイリスク、ハイコスト、ハイリターンの産業でもある。このため、一方では特許保護で製薬業の革新と発展を奨励することは大変重要である。また他方では、薬品の特許保護は薬品の価格に対して影響を与え、発展途上国の公衆の健康にまで影響を及ぼすものである。日ごとに深刻さを増す公衆の健康の問題を解決するために、WTO閣僚級会議は2001年11月に「TRIPS協定と公衆の健康に関する宣言」(ドーハ宣言)を発表した。WTO理事総会は2003年8月30日に「TRIPS協定と公衆の健康に関するドーハ宣言の六段階の実施」決議を通過させた。現在、TRIPS協定改正に関する国際的な話し合いが行われている。話し合いの成果をどのように充分に利用して、中国の特許法の関連規定を改正し、国内の公衆の健康問題の解決を促進し、中国の利益を擁護するかが、中国の眼前に横たわる重要な任務である。

2. 特許権侵害判断の基準について

 特許権侵害の判断については、中国の現行の特許法では比較的上位で大まかな規定しかない。各級法院と特許行政部門が大量の特許権侵害紛糾の処理において広範に採用している判断基準には、同等原則や取消禁止原則、公知技術の抗弁の原則などがあり、現行の特許法とその実施細則および上位の訴訟法においてはみな規定がない。こうした状況によって、実施方法が法的根拠を欠くものとなっており、多くの争議と法律の不確定要素を生む結果ともなっている。中国の特許制度を改善するために、特許法に関連規定を加えるべきかどうかを考慮する必要がある。これは中国の特許制度のさらなる規範化にとって重要な意義を持つ。

3. 間接的な権利侵害の問題について

 中国の現行の特許法では、特許に対する直接の権利侵害行為に対する法的制裁しか規定しておらず、特許に対する間接的な権利侵害行為に対する法的制裁は規定されていない。二回目の特許法改正の過程で、国家知識産権局は間接的権利侵害に対する規定増加についての改正の提案を行ってきたが、採用にはいたらなかった。
 中国の現状から言えば、間接的な権利侵害行為を制止しないことは特許権利人に有効的な法的保護を提供する上で不利となっている。現在、中国の関連法院では実際の特許紛糾案件の処理過程で、特許の間接的権利侵害行為の成立を認定する判決を下しており、実践が法律より先行している。これに対して、充分な論証と検討がなされるべきだ。もし特許の間接的権利侵害行為の制止の必要性を認めるならば、特許法において関連規定を規範として加えるべきである。

4.   実用新案特許の検索報告の問題について

 特許法の二回の改正を通じて、特許法第五十七条には実用新案特許に対する検索報告を行う規定が付け加えられた。同規定は実用新案特許権の法的な不確定性を克服し、実用新案特許権利侵害の盲目的な提出を減らしてコントロールするという積極的な意義を持つものだ。しかし、数年にわたる実践によって、実用新案検索報告の提出方法とその役割には、不完全なところが存在することが明らかになっている。このため、三回目の特許法とその実施細則の改正過程での改善が必要である。

5.  特許行政法執行の問題について

 中国は特許権の保護について、司法と行政機関による「二つのルートの協調的運用」というモデルを実行している。実践によって、このモデルは中国の国情に合う有効的なものであることが証明されている。特許行政法執行は手続きが簡単で、すばやく効果的であるという特徴があり、特に他人の特許の偽造や特許の無断使用、集団権利侵害などの権利侵害行為に対して、より有効的である。しかし何年もの実践で、特許行政法執行にも法執行手段の不足という問題が存在することが明らかになっている。地域を越えた特許権侵害案件については、各地区の行政法執行部門の間に有効的な協調メカニズムが欠けているなどの問題がある。このため、特許法とその実施細則で、特許行政法執行の規定をさらに改善し、特許行政法執行の職能を強化してより有効的な行政保護モデルを確立する必要がある。

6.  統一的な特許または知的財産権の上訴法院設立の問題について

 特許訴訟やその他の知的財産権訴訟は一般的に大変複雑な法律問題と専門、技術の問題に関連し、さらに知的財産権とその他の有形財産権を比べると際立って異なる特性があるため、中国の現有の司法審判体制の下では、知的財産権紛糾案件に対して効率的で統一的な司法審判を行うことは難しい。
 現在、米国や日本で既に統一的な特許上訴法院が設立されているほかに、EUや韓国でも統一的な特許上訴法院の設立準備を積極的に進めている。これは、統一的な特許または知的財産権の上訴法院の設立が、知的財産権保護制定の実施において必要な措置であることを表している。
 特許法の二回の改正過程で、国家知的財産権局と関連部門はこの点について検討したが、進展はなかった。情勢の発展に伴い、ここ数年ますます多くの専門家が、統一的な知的財産権上訴法院設立の重要性を認識するようになり、様々な意見を提出している。三回目の特許法とその実施細則の改正は、この問題の討論と解決を行うための適切な時機であると考える。

(四)特許法改正のその他の分野での関連規定

1. 特許権の濫用防止の問題について

 特許権とは一種の独占的な権利であり、ある種の状況下では特許権者は法に基づいて得られた独占権を濫用する可能性があり、そこから競争メカニズムに対する望ましくない影響が生まれ、科学技術の革新を阻害することとなる。科学技術が急速に発展している今日、先行する企業は往々にして特許を利用して不公正な市場の独占的地位を得やすく、特許権の濫用問題は容易に発生しやすい。このため、特許制度を利用して科学技術の革新を促進すると同時に、特許権の行使に対して必要な制限を行い、マイナスの影響をなくすべきである。現在、国外の多国籍企業の一部はその特許分野での優位性を利用して、中国の科学技術発展に対して影響を与えていることが多い。こうした状況の下で、特許法を改正し、特許権の濫用防止の規定を増加させることは、自由競争メカニズムの擁護に役立ち、中国の技術革新を促進する。

2. 特許申請権と特許権の帰属問題について

 特許法の特許申請権と特許権の帰属の規定は、国家や組織、発明創造者の間の利益関係を調整し、発明創造の創出をより促進するための重要なルートと手段である。米国では80年代に関連の法律を通じて調整を行って大きな効果を挙げ、米国が科学技術の革新の面で先進的な地位を保ち、発展する上で重要な役割を果たした。
 現在の特許申請の統計データによると、中国の職務発明創造の割合はわずか40%前後で、国外の職務発明創造の割合は90%以上の大きさに達している。ハイテク技術が日々進歩している今日、重要な技術的突破は一般的に大量の人力や物資の投入が必要で、非職務発明創造では多くの高いレベルの発明を生み出すことは難しい。中国の科学技術の核心競争力と自主的な知的財産権の創出能力を向上させるためには、職務発明創造の関連規定を調整し、より多くの優れた職務発明創造の創出と応用展開を奨励するべきである。
 中国の科学研究プロジェクトのうち、国家投資プロジェクトが比較的大きな割合を占めている。こうした国家投資の科学研究プロジェクトのうち、どのように国家投資の優位性を充分に発揮し、自主的な知的財産権の創出を促進、発明創造のもたらす経済的利益の合理的な分配を実施し、新技術の応用展開を促進するかは、みな特許申請権利と特許権の帰属問題を合理的に規定することと密接な関連がある。
現行の特許法の関連規定の改革は、中国の特許制度の改革に関連するだけではなく、企業制度や税収、金融など一連の市場経済体制に関連する問題である。特許法において職務発明創造の関係をいかに適切に調整し、企業と科学研究人員双方の積極性を充分に引出し、職務発明創造の創出を奨励するかが、中国の特許制度が早急に解決を迫られている問題の一つとなっている。

3. 外国への特許権譲渡の問題について

 現行の特許法第十条の規定では、中国の組織や個人が外国人に対して特許申請権や特許権を譲渡する場合、国務院の関連部門の許可が必要だと定められている。特許法実施細則の規定によると、上述の国務院の主管部門とは商務部を指す。
 長年にわたる実践から、中国の組織や企業が外国人に特許申請権利や特許権を譲渡する際に、上述の許可が必要であるか、またどの部門が審査許可を行うか、は研究と討論に必要な問題となっている。中国の経済的実力の向上と対外経済貿易の日ごとの増加に伴い、この問題はより重要となっており、三回目の特許法とその実施細則の修正過程で充分に考慮される必要がある。
また一方では、現行の特許法第十条、第二十条の規定と特許法第八条の規定の間には、調整することのできない問題が存在しており、実際にも関連の申請人、特に外国の申請人がこの点を利用して中国の特許法の関連規定をすり抜ける問題が起こっており、解決の必要がある。

4.  国家の強制的標準と特許権の関係の問題について

 近年、特許保護と国家標準との間の関係についての議論が各方面から大きく注目されている。特許法第十一条では、如何なる単位又は個人も特許権者の許諾を受けずに、その特許を実施することはできないと規定されている。一般的な状況では、公衆は選択を行う権利を持ち、特許権者の許可を経てから特許技術を実施することができ、またその他の技術、特許技術より遅れた該当技術であっても実施することができる。そのため、もしある有効的な特許技術が強制的な国家標準に組み入れられた場合、公衆が関連技術を実施することが必然的な選択となる。この場合、特許権者と公衆の利益との合理的な均衡をとり、公衆が関連の許可を得る条件と方法を規範化する必要がある。

5.  無効宣言請求の訴訟手続きの性質の問題について

 現行の特許法第四十六条の規定では、特許再審委員会の特許権無効宣告又は特許権維持の決定に対し不服がある場合、人民法院に訴えを提起することは行政訴訟といわれ、人民法院は無効宣告請求手続きを行った相手方当事者に、第三者として訴訟に参加するよう通知しなければならないと規定されている。
 長年にわたる実践により、少なからぬ専門家が上述の規定に対して様々な意見を提出している。特許権無効宣言請求を無効の請求者と特許権者の間の紛糾と見なし、特許再審委員会はその間で処理と審査を行うもので、特許再審委員会の決定に対し不服があって出された訴訟は民事訴訟として扱うべきであり、従来の当事者双方が訴訟の過程では原告と被告となり、特許再審委員会は法院の要求に従って法廷に出席し関連の問題を説明するべきであるとの見方がある。日本や欧州の手法を見ると、どちらも特許局を無効宣言過程での被告とはしていない。
上述の問題について、特許法とその実施細則の三回目の改正では考慮し研究する必要がある。

6.  特許法と実施細則の法律体制の問題について

 各国の特許法と実施細則の法律体制を見ると、特許法と特許法実施細則の関連分野は非常に明確で、実体規定と重要な手続きに関する規定はどちらも特許法で規定し、特許法実施細則は補助的な手続きに関する規定や各種の手続き要求が中心となっている。
 中国の特許法と実施細則の区分は理想的ではなく、例えば発明や実用新案、外観設計の定義、権利要求の実体性要求、特許申請却下の理由、特許権に対する無効宣言請求提出の理由などの、本来なら特許法に組み入れられるべき多くの重要な規定が特許法実施細則の中で規定されている。もし可能ならば、三回目の改正過程で適宜調整するべきである。



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