|
北京市第一中級人民法院(裁判所)はこのほど、米ファイザー社の薬剤「バイアグラ」の中国語通称の一つ「偉哥」をめぐる訴訟で、ファイザー社側の7項目にわたる請求を棄却した。ファイザー社はこれに先立ち、青いタブレットを模したバイアグラの立体商標をめぐる訴訟で、一審勝訴していた。
【ファイザー社の主張】抗ED薬「クエン酸シルデナフィル」(英文商標:VIAGRA)の発売を受け、中国の報道機関は1998年、同薬剤を「偉哥」と音訳して大きく取り上げた。これら報道の中で、「偉哥」はファイザー社の「クエン酸シルデナフィル」を指しており、英文の「VIAGRA」と対応かつ一致している。幅広い広報活動や生産量の増加により、「偉哥」は同社の未登録の周知商標となった。一方、広州威爾曼薬業有限公司による同商標の先行登録には主観的な悪意がある。同社は江蘇聯環薬業有限公司に「偉哥」商標の使用許可を与え、新概念大薬房公司を通じて「偉哥」と名づけた薬剤を販売していたが、3社の行為は不正競争および商標権の侵害に当たる。
【ファイザー社の請求】(1)「偉哥」をファイザー社の中国における未登記の周知商標と認める。(2)新概念公司と聯環公司は、ファイザー社の未登録周知商標に対する権利侵害行為を直ちに停止する。すなわち、「偉哥」商標を冠した薬剤の販売を即時停止する。(3)聯環公司と威爾曼公司は、「偉哥」商標の印刷と使用を直ちに停止し、商標ロゴや関連のパッケージ、広告、販促用資材、ロゴの印刷に使った金型·道具をすべて廃棄する。(4)威爾曼公司は、「偉哥」商標の使用許可や広告宣伝などの不正競争行為を直ちに停止する。(5)3被告は原告が蒙った経済的損失50万元を共同で賠償する。(6)3被告は原告が本案件のために支出した関連費用を分担する。(7)3被告は原告の同意を得た上で事実解明の公告を行うなど、有効な措置により影響の除去を図り、メディアを通じて原告に謝罪する。
【法院の見解】ファイザー社が証拠として提出した報道は、同社の「偉哥」という商標に関する宣伝には当たらず、「偉哥」という商標が中国ですでに比較的高い知名度を得ていたとは証明できない。ファイザー社のバイアグラの薬効、販売状況、副作用に関するメディアの紹介だけでは、「偉哥」商標が中国ですでに高い声望を得ていたとは証明できない。ファイザー社は実際に「偉哥」の商標を使用したことはなく、同社が「偉哥」商標に対する公告宣伝を行っていたことも証明できず、「偉哥」が周知されていたという証拠も提供していない。このため、「偉哥」がファイザー社の未登録の周知商標であるとは証明できない。さらに、威爾曼公司は1998年6月に「偉哥」商標の登録申請を行っており、2002年に初審公告が出された。聯環公司は「偉哥」商標の合法的な譲渡者である威爾曼公司から「偉哥」商標の使用許可を受けており、新概念公司は聯環公司が合法的な委託を受けて販売した「偉哥」商標の商品を販売した。3社の行為には正当性と合理性があり、市場競争において守るべき誠実·信用の原則には反しておらず、不正競争には当たらない。これに·u桙謔閨A法院はファイザー社のすべての訴訟請求を棄却する。(2007年2月9日 知識産権報)
|